ラブドール関連の怪しげなサイトの見分け方や通報の手段
以前、「ラブドール通販の注意点」と題してラブドール販売店の選び方、というか、「このお店はじめて知ったけど大丈夫…?」と思ったときに最低限チェックする項目についてまとめました。
あくまで”最低限”なので、そのチェック項目がOKでもまだ安心するのは早いのですが、それでもその最低限すらクリアしていないラブドール販売店だらけだったので、そこそこ有用でした。
しかし最近は怪しげなラブドール販売店が減るどころか増加の一途をたどっており、その販売店同士でGoogleの検索結果上位ランキング(SEO対策)の熾烈な争いをしている始末で、とうとうコピーサイトを乱立させはじめたので、あらためて注意喚起です。
チェック項目のおさらい
前回説明したことの繰り返しになりますが、利用したいと思うラブドール販売店を見つけたとして、まず最低限チェックするのは以下の3項目。
- 特定商取引に関する表記があるか
- 実在する会社(お店)なのか
- ドメイン情報をきちんと公開しているか
特定商取引法に基づく表記は義務
日本人向けにインターネット通信販売を行う販売業者は「特定商取引法に基づく表記」は必ず掲載しなければなりません。
ここでいう販売業者は「営利の意思をもって、反復継続して取引を行うこと」と定義されており、個人か法人かによる区別もありません。
■特定商取引に関する法律の条文
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=351AC0000000057
販売価格や送料、責任者の住所、氏名、電話番号等、表記する項目は明確に定められているのですが、ラブドールというジャンルがジャンルのためか、住所や電話番号は良いだろうと勝手に判断したのか、省略して書かれている場合があります。
しかし、勝手に省略することは違反行為に当たります。条文は読みづらいので、消費者庁の特定商取引法ガイドラインを参照するとわかりやすいでしょう。
「氏名(名称)」については、個人事業者の場合には、戸籍上の氏名または商業登記簿に記載された商号を、法人の場合には、登記簿上の名称を記載することを必要とし、通称や屋号、サイト名は認められません。
たまに運営責任者名をカタカナ表記で、「ヤマダタロウ」みたいにしていたり、存在しない会社名を名乗っているサイトもありますが、それは違法行為です。
外国のサイトでも特商法に関する表記は必要
中国など、外国で営業しているお店であっても、日本人向けのサイトを立ち上げて営業する場合には特商法に関する表記は必須です。
これについても消費者庁のガイドラインがわかりやすいので引用しておきます。
海外の販売業者等が日本向けにホームページなどで商品等の販売を行い、日本国内在住者が商品を購入する場合は、同項の適用除外には該当しないため、特定商取引法の対象となります。
尚、特定商取引法に違反しているサイトを見つけた場合は誰でも消費者庁へ通報することが可能です。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/specified_commercial_transactions/disobey_form/
ぼくは過去にラブドール関連だけで3件ほど通報しており、うち2件は表記が改善されました。最後の1件は最近ということもあり、まだ結果が出ていません。
法人は必ず実在確認ができる
過去の記事で何度も取り上げているので耳タコでしょうけれど、実在する法人は国税庁のサイトで必ず検索できます。
国税庁のページ:
https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
HP上で法人格(株式会社や有限会社等)を名乗っているにも関わらず、国税庁のページで検索できない場合は虚偽の会社名を名乗っている可能性があり、それは会社法に抵触することになります。
ぼくが法人設立した当時は資本金1000万円が必要であり、資金を用意するのに四苦八苦したものですが、いまどきは資本金1円でも設立できますので、このため(実在を証明するため)だけに法人設立したって良いくらいだと思うんですよね。
手続きは面倒くさいので代行業者に丸投げしましたが、設立にかかった費用は38万円くらいでした。ほとんどは税金なのでここはあまり安くはできないと思います。ま、でもインターネット上とはいえ、お店を開くというのに38万円すら用意できない、というのはちょっと考えづらいですよね。
ただ、別に個人事業主をディスるつもりはありません。法人税率はクソ高いし、赤字だったとしても通称:ショバ代などと揶揄される7万円は最低限国にぶんどられます。社会保険への加入義務もかなり痛い。年商がある程度以上見込めないと個人事業主のほうがお得だったりもします。特に最近は個人事業主でも基礎控除が48万円まで引き上げられたので、うちの会社なんかとっとと畳んで個人事業に戻したいくらい………………と、これはさすがに脱線しすぎました。
ともあれ、個人事業でお店をやっているからダメだ、なんてことは言いませんし、八百屋さんとか実店舗は個人のところめっちゃ多いでしょう。ただ、インターネット上で実体があるかどうかわからないお店をやるのに、それを証明する手段を用意しない、という点で「いつ撤退してもおかしくないお店だな」と思われても仕方がないとも感じます。
まともな会社ならドメイン情報は公開する
特定商取引の表記があり、法人名で公開されていて、国税庁でも検索できたなら、あえて調べる必要はありませんが、そうでなかった場合、ドメイン情報を確認するのもひとつの手です。
Webページに関する情報を調査するサイト
https://www.aguse.jp/
ドメイン(example.com等のURLのトップ部分)はレジストラという業者を通して登録することではじめてインターネット上で認識されるのですが、その際、登録者情報(名前、住所、連絡先電話番号等)を登録する義務があります。
一昔前はこれが必須であり、個人だろうと法人だろうと、商売をしていようと、していなかろうとこのドメイン情報の登録は必須、かつ全世界に向けて公開される情報でした。
しかし個人サイトが増えるにつれ、プライバシーの問題が指摘されるようになり、ドメインのレジストラ業者が代理公開という手段を用意しました。
これによってwhois検索という手段でドメイン情報を調べてもドメインのレジストラ情報しか表示されない、というケースも多くなりました。
とはいえ、一般的に普通の企業であればドメイン情報は公開しています。だって、どうせ特定商取引の表記で住所/氏名/電話番号を公開しているのに、わざわざドメイン情報だけ非公開なんて、する?
なので、whois検索でドメインの登録者情報を確認しようとするのは、あくまで、ついで。もしかしたら、万が一の可能性で、特商法の表記ではわからなかった登録者情報が書かれている………かもしれないくらいの感じ。
ドメイン情報で確認すべきは登録者情報ではなくDNS情報
先述のaguseでも、ほかのwhoisサービスでも何でも良いのですが、ドメイン情報を表示させたとき、「Name Server」という項目があります。これはドメインとIPアドレスを紐付けるために必要な情報なのですが、ここを見ることでどんなホスティングサービスを使っているのかわかるケースがあります。
ぼくが運営するedolls.netでは登録されたメーカーやショップのwhois情報も表示しています。例えばオリエント工業の例を出しましょうか。
オリエント工業のドメイン情報
https://edolls.net/lovedoll-manufacture/?m=detail&no=1&tab=server
ドメイン情報に「 Name Server: NS0.KAGOYA.NET 」があるため、日本にあるカゴヤのレンタルサーバーを使っていることがわかります。
また、ベルドール東京の例だと、
https://edolls.net/lovedoll-shop/?m=detail&no=2&tab=server
「Name Server: 01.DNSV.JP」というところから、お名前ドットコムのDNSを使っていることがわかりますが、逆引きホストが「myshopify.com」となっており、ドメインはお名前ドットコムで取って、WebサービスはShopifyを使っているのだな、ともわかります。
ぐへへ、おまえんとこのホスティングサービスはバレバレだぜ………なんて気持ち悪いストーキング行為ではなくw
ちゃんと日本にあるサービスを使っているお店なんだな、と判断できるところが重要です。
何かとんでもないトラブルがあったときに、実体までたどり着けるかどうかはとても大事。
ピンとこない方のために嫌な例を出しますが、仮にラブドールブログを運営していて、ドールの写真もたくさんアップしており、そのうちの1つがショップサイトに”勝手に”掲載された場合。
普通ならショップサイトへ苦情を言って掲載をやめてもらって終了ですが、電話番号や問い合わせフォームがなかったり、連絡しても無視されてしまうようなケース。こういう場合はホスティング会社(レンタルサーバー会社)へ通報すれば契約者に対して何らかの処置をしてくれます。(一般的には警告→複数回の警告を無視した場合→垢バン)
しかし、連絡手段がない、ホスティング会社もわからない、となると何かトラブルがあったときにどうにもなりません。
Cloudflareを使っているサイトは基本的に海外サイト
catdollを例として挙げてみます。
https://edolls.net/lovedoll-shop/?m=detail&no=15&tab=server
Name Server が ajay.ns.cloudflare.com というところから、Cloudflareサービスを使っていることがわかります。
CloudflareとはCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)サービスであり、それ自体に違法性はありません。
インターネットによって世界が近くなった、とはいっても日本から海外にあるレンタルサーバーへアクセスするとそれなりに重かったりします。でもMicrosoft等、世界的企業のHPは世界中どこからアクセスしてもそこそこの速度で見られますよね。
これは各国にCDNサーバーを持っていて、全世界で同期を取っているからです。キャッシュ、といえばわかりやすいでしょうか。
実体はアメリカにあるけれど、そのクローンを日本にも持っておくのです。そうすることで、日本からのアクセスは日本にあるサーバーへアクセスさせ、体感速度を向上させるのが目的。
大企業は独自のCDNを使っていますが、そうでない中小零細企業、あるいはなんらかの事情でグローバル展開したい個人事業主などはCloudflareなどのサービスを使うのが一般的。
実体は中国にあっても、Cloudflareの機能を使うことにより、日本のCloudflareのサーバー上にクローン(キャッシュ)が作られ、素早く表示されるわけですね。まぁ、実際はCloudflareの利用人口が多すぎて言うほど早くもないけれどw
ただ、これ悪用しようと思えばできちゃう仕組みでして。
接続先はCloudflareになるため、実体の場所が不明なんです。ほら、よく「串を刺す」なんて表現を聞いたことはありませんか?
Webブラウザから海外のプロキシー(串)を通すことで、相手先にこちらの情報を渡さないようにしたり、特定の国からのアクセスだと思わせる手法。たとえば、ゲームの世界では規制の厳しい日本版より北米版のゲームがプレイしたい、という理由で、北米のプロキシー経由でゲームサーバーへログインする、なんてことが一般ユーザーの間でも行われているくらいです。それのサーバー版みたいなもの。
海賊版サイト漫画村もCloudflareを使っていた、といえば更に通じやすいでしょうか。
Cloudflareを使っているサイトはすべてダメだ!catdollもCloudflareを使っているから怪しい!とまでは言いません。
日本向けのHPは日本のホスティングサービスを契約してHP立ち上げれば良いのに、とは思いますが、コストや管理費削減のためにCloudflareを使っているだけかも知れませんから。
ただ、いつでもトンズラされる可能性があるお店なんだな、ということだけは頭の片隅に置いておいたほうが良いです。
あ、誤解のないように言っておくとcatdollの場合はAmazon店も出店しており、そちらに特商法の表記がされていますし、Amazon経由で買っておけば何かあった際にマケプレ保証が30万まで付くので、特に気にしてはいませんw
Cloudflareを使っている例として出しやすかったので書いただけです。
最近Cloudflareを使ったコピーサイトが増えてきた
URLは出しませんが、ラブドールブログの記事や写真、あるいは特定のお店をまんまコピーしたコピーサイトが増えてきました。
厚かましいことにedolls.netのブログ登録フォームから連続して登録してくるところすらあります。
そういうサイトをaguseでチェックすると高確率でCloudflareを使っているんですよね。
コピーブログの場合は連絡フォーム等の連絡手段も掲載していないケースが多いです。
では、なぜそんなサイトを作るのか。
コピーサイトを作って誰が得をするのか、と考えるとわかりやすいかと思います。
元記事への嫌がらせ? それとも詐欺?
いやいや、いまどき詐欺をするのもなかなか大変です。クレジットカード番号を盗んでわずかなわかりにくい引き落としで稼ぐ集団などもいるようですが、リスクとリターンが見合っているとはちょっと思えない。カードにも保証付いてるし。足付くし。
たぶん、ほとんどのケースは悪質なSEO業者の仕業だと思っています。
Google検索で上位表示されるには被リンクが大事
Google等の検索エンジンの結果で1ページ目に表示されるか否かはショップサイトにとって死活問題であり、より上位に表示されるためには「有益なコンテンツからの被リンク」が重要、とされています。
20年くらい前はそれこそコピーサイトを乱立して、メインサイトにリンクを集中させるだけで上位表示は楽勝でした。その後、毎年のようにGoogleのアルゴリズムはアップデートされ、スパムサイトを排除する機能も優秀にはなりました。
でもやっぱり人間が作っている以上、いたちごっこなんですよね。
例えばガジェットの世界では、新製品を作ったら有名ブログに商品をあげてレビューを書いてもらうのが当たり前になっています。
レビュー記事からは当然リンクされるし、有名なレビューサイトであればGoogleから「有益なコンテンツ」として評価される可能性が高いから。
だから、レビュー系で上位表示されるサイトにはいろんな企業からのオファーがあります。ぼくが趣味でやっている雑記ブログにもしょっちゅうオファーがきます。最近来たのは「掃除機を無料であげるからレビューしてほしい」だったかなw
また、その際、「あえて良いことばかり書く必要はない」「感じたまま正直なレビューをして構わない」とも言われます。一見すばらしいオファーに見えますが、ヒネくれた見方をすると、そのレビュー記事を見る読者は相手にしていない、とも取れます。
つまり、商品への評価が高かろうが低かろうが、Google botが「有益なコンテンツからのリンク」という判定さえしてくれれば良いということ。実際の購入者はレビュー記事からではなく、「有益なコンテンツからリンクされて上位表示されるようになった本サイトから買う」からです。
また、検索エンジンは「価値の低いコンテンツからのリンクは評価しない」とされていますが、評価しないだけであって、マイナス評価まではしないので無害なのです。これをマイナス評価にしてしまうと、ライバル企業がわざと低価値なコンテンツを作って、相手へリンクすれば攻撃手段となり得るから。
そりゃ炎上商法が流行るハズですよね?w 低価値なコンテンツからのリンクは評価されない、でも数を撃てばそこそこのコンテンツからリンクされる可能性も上がる。
となると、次はどうなるか。有益なコンテンツをパクって、混ぜて、オリジナルっぽく見せたサイトを量産する、という発想になる業者がいてもおかしくはないのではないでしょうか。
Google botにはコピーコンテンツを把握する機能もあります。だから1ページまるっとコピーした場合にはコピーサイトとして一切評価されない可能性は高いのですが、やはりそこはしょせんプログラム。1ページあたり何%以下のコピーコンテンツまでなら引用文の可能性もあると判断される場合もあります。
じゃあもう、長い時間かけて有益なコンテンツを作るよりも、少しずつアルゴリズムを変えてパクったサイトを1万でも2万でも用意したほうがてっとり早くね?
これが20年前くらいに流行ったワードサラダという手法で、とっくにGoogle側も対処していたはずなのですが…………最近、なぜかラブドール関連でそういったサイトが増えてきています。
ラブドール関連でそんなに検索をしていないぼくですら、ちょこちょこ見かけるくらいなので、そんなコピーサイトがけっこう上位表示されちゃっている気がします。
リンクはしませんが、一例を出すと「mozudoll アニメ」でググるとわかりやすいでしょう。
Googleの敗北かよ、という気分になります。
通報の方法
コピーサイトを見つけた場合、貴方が著作権者かどうかによって対処が変わります。
「あ、○○さんのブログの写真パクられてんじゃん!」と気がついたとしても第三者である限りは残念ながらDMCAの通報は出来ません。
■Googleへの通報
https://www.google.com/webmasters/tools/dmca-notice
■Cloudflareへの通報
https://support.cloudflare.com/hc/ja/articles/360028158352-Cloudflare%E3%81%AB%E6%82%AA%E7%94%A8%E3%82%92%E5%A0%B1%E5%91%8A%E3%81%99%E3%82%8B
■悪質ECサイトホットラインへの通報
https://www.saferinternet.or.jp/akushitsu_ec_form/
※明らかに詐欺やフィッシングが疑われる場合
また、SEO業者が作ったコピーサイトである場合、検索結果を持ち上げたいメインサイトへのリンクが必ず含まれているハズです。
そのリンク先がまともなサイトであった場合には、そちらへ通報するのもひとつの手かも知れません。
以前にも書きましたが、ぼくは実際にラブドール販売店へ「こんなサイトから貴店へリンクされてるんだけど、おかしなSEO業者使ってない?」と聞いて、ビンゴだったケースがあります。その店主はSEO業者がそんな悪質な対策をしているとは知らなかったようで、契約を切ったとのこと。
当たり前ですが、ショップもグルだった場合には何の効果もありません。
まとめ
一応、名目上はIT系のお仕事をしていますが、第一線から離れて久しいので、だいぶ古い知識の備忘録となります。今更ですが話半分くらいで読んで頂くのが良いかと。
普段コメントを投稿してくれるような読者様にとっては耳タコな話でしょうし、そもそもそういう皆様はお気に入りのお店の2つや3つは持っていて、変なサイトにひっかかることはないと思います。問題なのはラブドールについてさほど興味はないけど、なんとなくググってしまった初心者さんが悪質な業者使っているショップにつかまることよねぇ。
ほんと歴史は繰り返すというか、今のラブドール界隈の状況を見ているとまるで20年くらい昔にタイムスリップしたような違和感があります。
Google側が「ラブドール」というものをうまく認識できていないのか、それとも悪質なSEO業者が上手なのか…。
なんなんだろうね?












